「龍馬伝」に込めた想い

山口県立大学客員教授特別講義に参加。講師は、脚本家 福田 靖氏。演題は、「『龍馬伝』に込めた想い」。

福田氏は、高校時代に落ちこぼれ一浪。大学も3年生で中退。劇団を創設するも10年間の極貧生活。偶然、知人を通じてひとりのTVプロデューサーと出会い、TVドラマの脚本の依頼が…。それがデビュー作「Black Out」。しかし、継続的に仕事は来ず、他の脚本家の「ピンチヒッター」ばかりで1年間仕事がないことも。「ピンチヒッター」として脚本した、木村拓哉主演の「HERO」でようやく認められ、職業欄に『脚本家』と書けるようになったという。

その後「海猿」や「ガリレオ」などのドラマの脚本を担当し、ヒーローを描くのが巧みな脚本家として名をはせる。2006年、NHKから大河ドラマの依頼が…。『平清盛』で話が進んでいたが、「自分がおもしろいと思わないといいものができない」とのことで『坂本龍馬』に。『坂本龍馬』は昭和43年に『竜馬がゆく』で放送されていたため、反対されるが「切り口を変えるなら」と『龍馬伝』に決定し、経済人・岩崎弥太郎の視点で描かれた。

『龍馬伝』のコンセプトは「新しい大河ドラマ」。そして、「成長する人物」がテーマ。「わかりやすく、テンポよく、笑いを入れ、みんなが知っている『ヒーロー 坂本龍馬』を無視、脇役も引き立てる」をポイントに置き、福田靖氏ならではの『龍馬伝』が出来あがった。

当初は「朝の連ドラ」の依頼だったこと、大河ドラマは見たことがかったこと、福山雅治さんに依頼してOKが出るまで7ケ月かかったこと、場面の説明、撮影時のエピソードなど、あっという間の1時間半であった。

12月29日・30日に『龍馬伝』の総集編(第1部~第4部)が放送されるので、お見逃しなく!

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