将の五危

先日、将(リーダー)に必要な資質「将の五徳」を紹介したが、「孫子」の中では将(リーダー)に危惧をもたらす五つの資質についても述べられている。いわゆる「将の五危」で、第八編九変の中で「将に五危あり。必死は殺す可く、必生は虜とす可く、忿速は侮る可く、廉潔は辱しめ可く、愛民は煩わす可し」と曰っている。

1.必死-決死の覚悟だけであれば戦局を見通す余裕がなく、無意味に猛進して殺される。
2.必生-臆病で生き延びることばかりを考えていては捕虜にされる。
3.忿速-短気で辛抱ができないようでは相手の策略にはまる。
4.廉潔-対面を気にして清廉潔白なのは名誉を傷つけられると我を失ってしまう。
5.愛民-兵や民衆に情をかけて思いやりが強すぎると全体のために冷酷な決断をしなければならないとき出来ない。

「将の五危」も将(リーダー)にとって必要な資質です。しかし、この資質も程度があり、度が過ぎると害になるということを説いているものである。リーダーたるもの常に冷静沈着に「五徳」、「五危」を適度に発揮するバランス感覚が必要なのです。

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