おかげさまで

「夏がくると冬がいいという、冬になると夏がいいという

太ると痩せたいという、痩せると太りたいという

忙しいと閑になりたいという、閑になると忙しいほうがいいという

自分に都合のいい人は善い人だと誉め、自分に都合が悪くなると悪い人だと貶す

借りた傘も雨があがれば邪魔になる

金をもてば古びた女房が邪魔になる、世帯をもてば親さえも邪魔になる

衣食住は昔に比べりゃ天国だが、上を見て不平不満に明け暮れ、隣を見ては愚痴ばかり

どうして自分を見つめないか、静かに考えてみるがいい

いったい自分とは何なのか

親のおかげ、先生のおかげ、世間様のおかげの塊が自分ではないのか

つまらぬ自我妄執を捨てて、得手勝手を慎んだら世の中はきっと明るくなるだろう

おれがおれがを捨てて、おかげさまでおかげさまでと暮らしたい」

野村克也東北楽天ゴールデンイーグルス名誉監督の著書『野村ノート』の「はじめに」で紹介した言葉で、東京ヤクルトスワローズの二軍グランドのロッカーに貼られていたとのこと。

今我々に欠けているものは「ありがとう」という感謝の気持ち、「おかげさま」という謙虚な気持ちではないだろうか?

少し仕事ができるようになったから、役職があがったから…。自分がえらくなったんだと勘違いをしていることはないだろうか?その人の価値や存在感は他人が決めるもの。他人の評価こそがその人の評価。「感謝の心」と「謙虚な気持ち」。このことを忘れては人間として評価を得られることはありえない。「人生」と「仕事」は常に連動していることを自覚しよう。

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