非常識

高校時代は硬式野球部で甲子園出場を目指す。
グランド整備は1年生、買い物も1年生、合宿ではマッサージも1年生、挨拶は下級生から上級生にのみ、練習後は説教、水は飲むな、雨が降れば室内で練習、冬は寒いのでランニングや筋トレ中心のメニュー。当時はこれが「常識」であった。結果、三年生最後の夏は岩国高校にコールド負け。涙も出なかった。

本日ご紹介の一冊は『非常識 甲子園連覇監督に学ぶ 勝ち続ける強いチームのつくり方』(我喜屋 優、田尻 賢誉著、光文社)。
著者のひとり、我喜屋 優氏は、2010年、史上6校目の春夏連覇、沖縄県勢初の夏の甲子園優勝の偉業を達成した、興南高校野球部監督。1968年、本土復帰前の沖縄代表として興南高校の4番として甲子園に出場。高校卒業後後、大昭和製紙(静岡県富士市)に入社後、大昭和製紙北海道(白老市)へ移籍。北海道勢初の優勝に貢献している。

本書では、過去や常識を言い訳にして変わろうとしないリーダーとなるべき指導者がいるから組織が衰退する。氷点下の北海道で雪の上で野球をやろうという人間はいなかった。梅雨の長い沖縄で長靴を履いて野球をやろうとする人間もいなかった。できないのではなく、やらないだけだ。物事に「これでいい」ということは絶対にない。常にまだ何かあるのではないかと考えることが必要だと力説している。

今までの常識を覆す数々の非常識なアイデアの根底には、挨拶をする、時間を守る、食事を残さない、身だしなみを整える、落ちているゴミを拾う…という常識的なことが当たり前にできていることにある。

小さなことを全力で、確実やるからこそ大きな仕事をできるのである。スポーツもビジネスも「人づくり」が大切なのです。

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