七十二候

日本の場合、春は3~5月、夏は6~8月、秋は9~11月、冬は12~2月の4つに区切り、それらをまとめて四季と呼ぶ。さらに四季を6期に分けた24の期間の始まりの日を二十四節気と言い、立春や春分、大暑、大寒などがそれに当たる。

二十四節気がほぼ十五日ごとの季節の変化を知らせてくれるのに対し、ほぼ5日ごと、3つの候(初候/中候/末候)に細分し、季節の移ろいを気象や動植物などの季節変化を示したものに「七十二候」がある。古代中国で考案された季節を表す方式のひとつで、日本では江戸時代の初期まで古代中国でつくられた七十二候を使っていたが、その後暦学者によって日本の気候風土に合うように、気候の違いや動植物を入れ替えるなどの改訂がされて今に至る。

例えば今の時期であれば、
四季は、
「春」。
二十四節気は、
「立春(2月4日頃)」、「雨水(2月19日頃)」、「啓蟄(3月6日頃)」、「春分(3月21日頃)」、「清明(4月5日頃)」、「穀雨(4月20日頃)」。
七十二候は、
立春(2月4日頃)-初候「東風解凍(東風が厚い氷を解かし始める)」、中候「黄鶯睍睆(鶯が山里で鳴き始める)」、末候「魚上氷(割れた氷の間から魚が飛び出る)」
雨水(2月19日頃)-初候「土脉潤起(雨が降って土が湿り気を含む)」、中候「霞始靆(霧がたなびき始める)」、末候「草木萠動(草木が芽吹き始める)」
啓蟄(3月6日頃)-初候「蟄虫啓戸(冬蘢りの虫が出て来る)」、中候「桃始笑(桃の花が咲き始める)」、末候「菜虫化蝶(青虫が羽化して紋白蝶になる)」
春分(3月21日頃)-初候「雀始巣(雀が巣を構え始める)」、中候「桜始開(桜の花が咲き始める)」、末候「雷乃発声(遠くで雷の音がし始める)」
清明(4月5日頃)-初候「玄鳥至(燕が南からやって来る)」、中候「鴻雁北(雁が北へ渡って行く)」、末候「虹始見(雨の後に虹が出始める)」
穀雨(4月20日頃)-初候「葭始生(葦が芽を吹き始める)」、中候「霜止出苗(霜が終わり稲の苗が生長する)」、末候「牡丹華(牡丹の花が咲く)」

日本で古くから自然の変化を知らせるのに使われてきた「七十二候」。改めて「七十二候」から日本の四季を感じてみるものいいものですね。

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